潜在意識をうまく書き換えて、なりたい自分になる!

 昔から「三日坊主」とはよく言ったもので、新しいことを始めて最初の2~3日は物珍しさや緊張感から継続できますが、4日目くらいから、自分自身の揺り戻しがやってきます。それが、潜在意識です。元の自分に戻ろうと耳元で囁くのです。今日は、潜在意識の構造とその書き換えについて記してみたいと思います。

潜在意識とは

 潜在意識とは、自分では意識できない意識、つまり無意識の部分を言います。意識できるのは顕在意識で、自分で考えたり、決断したりするときに思考している部分の意識です。顕在意識は、意識の3~5パーセントを占めるに過ぎず、95~97パーセントは無意識であるとされています。

 例えば、車の運転を最初に学ぶときは、一つ一つ手順を頭で考えながら操作します。右足でブレーキを踏んで、エンジンをかけ、サイドブレーキを外しのように、一つ一つが思考しながらの作業です。

 ところが、運転に慣れてくると、おしゃべりをしながらエンジンをかけ、順番を考えずに(それでも決まった順番で)車を操作するようになります。これは、運転の仕方を身体が覚えると言われますが、実は潜在意識に手順が入っており、考えなくても自動的にできる状態になっているのです。

 このように、日常的な動作、歯磨きや食事、通勤、通学など毎日行うあらゆることが潜在意識の働きでスムーズに実行できています。潜在意識で行っているということは、つまり、何も考えずに自動的にしているということなのです。

 これは、身体の動きだけではなく、心の使い方も同じように多くのことに関して自動的に働くようになっています。どういうことかというと、例えば、教育に関する考え方、仕事に対する考え方、お金に関する考え方、異性や結婚に関する考え方などなど、常識とされる判断基準は、人が生まれてから7歳まで位の間に見たり、聞いたり、体験したことが基礎となって、その人の価値観を形成しています。だから、同じ体験をしてもそれが良いという人もいれば、大変だと感じる人もいます。その人の感じ方、考え方というよりは、その人が子どものころから身につけた価値観がその体験の価値や評価を決めているのです。

 そして、潜在意識は、自分自身をどんな人間と見ているかにも大きく影響しています。

 子どものころから、親や教師から「できる子」だと言われてきた人はたいてい、自分はできる人間だと思うようになります。それに対して、子どものころ、親や周囲から「何をやってもできない子」というようなレッテルを貼られてくると、できない自分が潜在意識に焼き付けられていますから、最終的には自分は何をやってもできない人間なんだという答えにたどり着きます。

 潜在意識は、何もできない、何もわからない赤ん坊がこの世に誕生してきて、成長していく中で、生きていくために必要なことを身に着け、社会の中で生きていけるように周りから得られる知識を習得して、自分を守ってくれるという働きをしています。時として、潜在意識に幼いころに刻まれた否定的な自分への評価が成長した自分を制限するように働き、自分を縛る、制限するものとして機能してしまうことがあります。しかし、潜在意識の目的は自分を守ることです。安全なところにいるように危険(=未知の世界)を回避しようとすることがあります。それゆえ、変化を嫌う傾向があります。

潜在意識は書き換えられるの?

 私の場合にも、子どものころに過保護な母親から難しいことにチャレンジしようとすると「そんなことは、あなたには無理だよ。」と言われたことが自分の潜在意識に刻まれていたようで、冒険しようとするのだけれど、最後のところで怖くなって引き返すということが大人になってもありました。それも肝心な場面になると心が自動的に冒険を回避し、より安全な方へ、確実な方へと進む道を選択していました。

 私は、そんな弱い自分を責めて、自己嫌悪に陥ったり、母親を恨んだり、過去を悔んだりもしました。

でも、潜在意識の仕組みを知ってからは、もう自分を責めることも自己嫌悪に陥ることもありません。ましてや、幼い私を守ろうと必死だった母親を恨むことはありません。潜在意識は危険を回避して、自分を安全な状態に留めおこうとします。今に危険がないのだから変化は不要なのです。だから、新しいことというのは、決意だけではできるようになりません。根性でも長続きはしません。

 潜在意識を活用し、新しいことを通常のことにしてしまう方法は、小さな変化を少しずつ取り入れることなのです。自分で自分を騙すというか、何も変わっていないふりをするのです。昨日までの自分と今日の自分、明日の自分に大きな違いはないよと言い聞かせるのです。そして、目指す方向へ少しずつ変化をしていくのです。しばらくして、小さな変化が蓄積し大きな変化になるころには、潜在意識もそれが日常になっており、変化だとは気づかないのです。

だから、寝坊の人が早起きに切り替えたいと思ったら、いきなり2時間早く起きるようにするのは危険なのです。まずは、15分とか30分だけ普段より早く起きるようにします。これを1週間くらい続けて、30分早く送るのが日常になったら、次はさらに15分か30分だけ起床時間を早めます。さらに1週間したら、同じように15分から30分早めるというように、約1ヶ月くらいかけて2時間の起床時間の変更を達成するようにしましょう。いきなり2時間早く起きても、昼間眠くなるか二度寝するなどして、早く起きたことが却って調子を崩す結果に繋がることも少なくありません。

 潜在意識を書き換えるには、少しずつ少しずつ、じわじわと焦らずがポイントです。

潜在意識にあるセルフイメージの書き換えについては、また別な投稿でお話できればと思いますので、楽しみにしていてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

saiko

Saiko

アメリカ留学を経て、予備校や学習塾での英語教育に携わること約10年。在職中に英検1級を取得。TOIEC985点。法律関係に転職し、夫婦で同業、共働きしながら現在に至る。留学や受験時代の体験から人の潜在意識や潜在能力に関心を抱く。夫の星二の50歳の誕生日を機に、星二の夢である「ゴルフでシングルに」に一緒にチャレンジするべくゴルフを習い始める。3年で100切りを目指して、趣味の英語と旅行も織り交ぜながら、星二と一緒にゴルフの上達を目指す。楽しく上達がモットー。現在のベストスコアは、117。