新しい目標を設定すると起こる不思議なこと:人間の脳の仕組みとの関係

人は新しい関心事をもつと、それまで気にならなかった自分の周囲の情報に急に目が行くようになります。例えば、子どもに特に関心のなかった人が妊娠したとたんに子供服のお店がやたら目に入るようになったり、お腹が空いているとレストランの看板が目に付くようになったりとか、脳は私たちが欲しいと思っている情報を瞬時に集めてくれます。

脳のRASの仕組みと働き

私たちの脳には、網様体賦活系というフィルターがあります。これは英語ではReticular Activating Systemと言い、その頭文字を取ってRASと一般に表記されますので、ここでもRASとしますね。

RASは、私たちが重要だと考えていることを基準に脳に入れる情報を選別しています。

私たちが日々接する情報の量は膨大で、そのすべてを処理していては脳がパンクしてしまします。そこで、RASは私たちが重要だと判断する情報のみを脳に入れ、それ以外の情報は排除してします。

よって、RASのフィルターで落とされた情報は私たちにとって存在していないのに等しいということになります。

新しい関心事、特に目標設定によりRASは活動を強化する

RASは日常的に情報選別フィルターとして私たちのために活動していますが、RASの働きは私たちが現状とは異なる新たな関心事、特に目標やゴールを設定すると、その活動を一層強化して働きます。

目標達成を実現するために必要となる情報を選別し、足りない情報は探しに行こうとします。

RASはいわば目標達成のための自動誘導システムです。

RASは私たちが脳に描くイメージを忠実に現実化してくれます。

新しいゴールや目標を設定して、それが現実のもののように私たちの脳裏に描かれれば、RASはそれに必要な情報をどんどん集めてくれます。必要なときに必要な人とも出会うことが起こるようにもなるのです。

注意しなくてはならないのは、私たちが自分の目標やゴールを達成できないかもしれないと考えていれば、RASにとってはそれ(=「達成できない」)が達成するべきゴールとなってしまいます。

ですから、RASを活用するには先ずは全幅の信頼をRASにおきましょう。

RASの活用のために日々行うべきこと

今の自分では到達できないゴールに向けて私たちが一歩を踏み出す時、RASが働き始めます。

自分のコンフォートゾーンゾーン、つまり自分が慣れ親しんだ環境の外に目標を設定し、そのために必要となる行動をとっていくことが目標実現への道です。

しかし、目標実現の具体的なステップはその時点では決めない方が良いのです。今の自分では考えられないような方法や手段、人脈をRASが探してくれるからです。

ですから、私たちがするべきは到達したい地点をしっかり頭に描き、それがもう現実になっているイメージを想像して達成した喜びを先取りすることです。これらは仮想現実かもしれませんが、脳にとってはその区別は微妙なのです。私たちが現実だと感じることを脳は現実だと受け止め、それに沿った情報を収集してくれます。そして、頭に描いた(未だ実現していない)現実と目の前の現実を一致させようと一生懸命働いてくれるのです。

ですから、夢や目標、ゴールを決めたら、毎日一定の時間、理想的なのは朝目覚めたときと夜眠りに落ちる前ですが、もう既に夢や目標、ゴールが実現したという気持ちになって喜ぶことが大切です。

今の自分にできること、なすべきこと

自分のコンフォートゾーンの外に目標やゴールを設定し、それらが既に実現したかのようにイメージし、幸福感を味わったら、その次は現実的な行動を起こします。

この時に、自分の設定した目標やゴールに到達するまでの行動は最初は未だ分かりません。

現時点で思いつく、自分にできる最初の一歩を考えます。そして、それを行うのです。

それを行うと結果が出ます。小さな行動で、小さな結果かもしれませんが、これをフィードバックと考えて、次の行動を取ればいいのです。

RASを働かせるための一人戦略会議

私は、毎朝、15分だけ時間をとって、一人戦略会議を行います。

毎朝確認するのは、自分の到達したいゴールや目標とそのために今日自分ができることは何かです。

一人戦略会議については、また別な投稿をしたいと思いますが、朝ぼんやりした頭で自分が目標を達成したイメージを描いたあとで、文字に書かれた自分の目標を確認し、そして、その目標達成のためのプロジェクトを見て、その中のタスクで今日できることはないかを洗い出します。そして、その日にできることをリストアップして実行していきます。

朝確認することで、RASが日中タスクの実行や目標達成に役に立つ情報を集めてくれるようになります。

その日に何をするかも大切ですが、最終的にどうなりたいのか(=目標)をRASに確認させることが最も肝心です。ですから、地味な努力ですが、日々これを行うことが大きな結果につながります。もちろん、やっていくうちにRASの情報が加わりますから、新しいプロジェクトやタスクが出て行きます。新しい、より良いやり方も脳裏に浮かんできます。それをその都度加えて、目標達成まで日々楽しみながら続けて行きましょう!

今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人

saiko

Saiko

アメリカ留学を経て、予備校や学習塾での英語教育に携わること約10年。在職中に英検1級を取得。TOIEC985点。法律関係に転職し、夫婦で同業、共働きしながら現在に至る。留学や受験時代の体験から人の潜在意識や潜在能力に関心を抱く。夫の星二の50歳の誕生日を機に、星二の夢である「ゴルフでシングルに」に一緒にチャレンジするべくゴルフを習い始める。3年で100切りを目指して、趣味の英語と旅行も織り交ぜながら、星二と一緒にゴルフの上達を目指す。楽しく上達がモットー。現在のベストスコアは、117。