ついに新井淳さん本人のレッスンを受けてきました。

新井淳さんって、どんな人?

新井淳さんは、ゴルフレッスンのYouTube動画をたくさん見ている彩子が発見した、とても分かりやすく、初心者や伸び悩んでいるアベレージゴルファーのスイングや一般的なゴルフレッスンの誤解「あるある」を指摘し、解決法を示してくれる非常に優れたゴルフインストラクターです。

新井淳さんが提唱しているスイング理論は「二重振り子スイング」と命名されていますが、派手な宣伝文句が伴う●●打法のような特殊理論ではなく、伝統的・一般的なゴルフ理論で言われている多種多様のセオリーの本当の意味を物理的な振り子運動と人体の構造的特徴の観点から解釈し直し、素人でも実践しやすく再構成したものと言えます。

新井淳さんのYouTubeチャンネルは、チャンネル登録者数10万2千人の大人気チャンネルであり、YouTubeの概要欄にある個人レッスンの申し込みサイトがありますが、申し込みが殺到しているらしく、予約困難な状況でした。毎朝6時に60日後のレッスンの予約の受付が始まるのですが、専用サイトで必要事項を入力しているうちに「空あり」が「満」に変わってしまい、私と彩子は、先月は、来る日も来る日も、早起きしてトライしては失敗の繰り返しでした。

ところが、ひょんなことから、彩子がチーム和田という別のゴルフスクールサイトで限定的ですが、新井さんがレッスンを担当していることを知り、そちらから申し込んだところ、11月19日(金)の大相模ゴルフスポーツガーデンでの新井淳さんの個人レッスンの空き枠2つに私と彩子が入り込むことに成功した次第です。

そのようなわけで、待ちに待った新井淳さんとのご対面だったわけですが、会ってみた印象は、動画で見るより、やや大柄で、あまり愛想は言わず、ひたすらゴルフ上達の方法論を探求し続ける「求道者」という感じでした。ゴルフ歴15年なのに、未だにGDOハンデ27(公式ハンデは23)の自分が恥ずかしくなり、ここからは、もっと真剣にスイング改善の修行に取り組みたいとも思いました。それぐらい、新井さんには、こちらの(ゴルフ)人生観を変えさせるのに十分な存在感がありました。

まずは構えから

事前にチーム和田から自分が診てもらいたいクラブを2~3本持参するように指示メールがあったので、私は、ロブウェッジ(60°)とピッチングウェッジ(w)と7番アイアン(7I)を持って行きました。いずれもヘッドはPINEアンサーで、シャフトはやや重めのスチール(ダイナミックゴールドS200)です。

大相模ゴルフスポーツガーデンで、個人レッスン用に確保されていた練習打席で、30分ほど前からウォーミングアップでボールを打っていたら、定刻の午前10になり、新井さんが来て、レッスン開始となりました。

新井さんから、まず、好きなクラブで3球打ってみるように言われたので、Wの腰から腰のスイング、肩から肩のスイング、フル・ショットをしてみました。新井さんが動画を撮ってくれて、それを再生しながら、問題を指摘してくれました。

軌道が外から上から入ってくる、典型的なアウトサイド・インの手打ちとのことでした。新井さんの動画をたくさん視て、自分なりに「脇固定グリップ」「つり革を掴むトップ」「クラブの後ろ倒し」「右手でキャリーケースを引く動き」「左手の引きと右手の押し」「右腕が左の腕の上に来て入れ替わるインパクト後の動き」など意識して、この1か月半練習してきていたので、全くできていないことに、少しショックでした。

その場で、二重振り子のハーフ・ショットはどのようなものか説明を受け、アドレスやグリップから見直すことになりました。

まず、左腕の脇固定グリップの位置を実際に私の左腕を掴んで教えてくれました。自分で試行錯誤していたときには分からなかったのですが、実際にそこにはめてもらうと、左腕と体幹に一体感があり、体幹を回す動きをしても左腕と左手がずれないポイントが確かにありました。

次に、グリップですが、左手だけでクラブを持って左腕を脇固定の位置にはめたときにクラブの重さがストレスに感じない位置があり、その状態で、右手で横からグリップを握るように言われました。その際、自分が普段しているよりも(フックグリップ気味に)横から持つ感じでしたが、これは右人差し指の腹でグリップを押しやすい位置にすることが大事で、上から持つウィークグリップか横から持つフックグリップかという問題ではないそうです。

脇固定のポジションでのグリップの位置が自分が思っていたよりも、自分の体に近い位置なのは、正直言って意外でした。というのも、これまで他所のレッスンで、私はボールに近く立ち過ぎていると言われることが多く、また、新井さんのレッスン動画でも、他の生徒さんが脇固定グリップに矯正されている映像を見ると、従前の構えよりも手元を身体から離すように変えられているように見えたからです。

なお、足のスタンスや姿勢は直されませんでした。ゴルフパフォーマンスで教わったアドレスで問題なさそうでした。

二重振り子のハーフショット

ハーフショットは、一般的には、テークバックで時計の3時の位置付近にクラブを上げてスイングし、フィニッシュで9時の位置付近にクラブを上げて止めるコンパクトなショットのことを言いますが、二重振り子のハーフショットも、振り幅という点では、一般的なハーフショットと同じでした。

テークバックも、脇固定グリップの位置から少し上げる程度でトップの位置に来てしまうため、一般的なハーフショットと大きな違いはありません。

しかし、ダウンスイングからインパクトにかけて、一般的なハーフショットのドリルでは手首を固めて動かさないように言われることが多いのに対して、二重振り子のハーフショットでは、小さいスイングでも、振り子の二つの支点(肩と手首)を活かすため、手首を緩めると言いますか、リリースが入ります。手首をリリースすることによって、ヘッドが走って、アドレスの位置に戻りながら、気持ちよくボールに当たるのです。

そして、フィニッシュの位置も、フェースを返さず左サイドで引っ張ることが大事と考えていた私にとっては、意外でした。二重振り子のハーフショットのフィニッシュでの左腕の位置は意外と体正面の内側にあり、実は、体幹と左腕の関係性はアドレスでの位置関係と全く同じになると言うのです。本当かよ!?とも思いましたが、フィニッシュの位置から左腕を固定したまま身体を逆回転させてアドレスの位置に戻してみると、確かに、左腕がアドレスで構えた脇固定の位置と同じ所に来ていました。

上記のようなフィニッシュの形を取り、さらに、お尻で右サイドを左サイドに押し込んで左腰により体重を乗せるようにしていくと、自然に右腕が伸び、クラブが垂直に立とうとしてきます。初めのうちはクラブシャフトが地面に水平になる所(9時の位置)に止まるように制御していたのですが、何回もハーフショットを繰り返していると、自然とフォローは大きくなり、クラブシャフトが自然に立つ位置に収斂されていきました。

人それぞれとのことですが、私の場合、フィニッシュでは、前傾姿勢を取っていた骨盤が水平になるくらい、左に体重移動と腰の回転を入れながら、目標方向に身体の正面を向けて立ってよいとのことでした。

新井さんによると、この動きは1日100回100日続けることで身に付くとのことでした。反復して体に覚え込ませ、各部の動きを意識せずともできるようになるという効果もさることながら、反復継続して練習する過程で自分なりに様々なことに気付き、本人にしか分かり得ない自分に合ったショットのフィーリングを掴むことができるのが大きいとのことでした。肝に銘じたいと思いました。

二重振り子のフルショット

二重振り子のハーフショットを続けていたら、次第に飛距離が伸びていき、wで100ヤード近く飛ぶようになりました。新井さんは、結果が出るなら、ウェッジやショートアイアンは無理にフルショットしなくてもよいと言ってくれて、気が楽になりました。

他方、ミドルアイアン以降はフルスイングを想定した指導でした。新井さんは、私に7番アイアンでボールを打ってみるよう促しました。例の如く動画を撮ってくれて、それを見たところ、トップから切り返しでのスイング軌道が前倒しになり、かなり大幅なアウトサイドインになっており、打球が左にいかないようにするために身体が勝手に調整するのか、インパクト直前でヘッドにブレーキをかけるように力が入って、かろうじてボールを前に飛ばそうとしているのが分かりました。

新井さんには、フルスイングに必要な「右手の引き込み」を習っていないから仕方がないことでもあると言われました。今回のレッスンでは「右手の引き込み」と「左手の通り道」を教わることになりました。ポイントは、➊トップでの右手の位置、➋切り返し時のクラブの後ろ倒し、❸ダウンスイングでの右肘の伸ばし方、➍右手の角度を変えないで押し込みつつインパクトを迎える、❺上記➊~➍での左手の通り道はどこか、の5点でした。

➊トップでの右手の位置は、動画では、電車で吊革につかまったときの位置で、コップを持って内側に倒して中の水をこぼすイメージと表現されており、自分のイメージでトップの形を作ってみました。新井さんには、その位置から縦横に微調整され、ここ!という場所にはまりました。微妙な違いで、自分一人のときに再現できる自信はまだありませんが、他所よりストレスを感じない場所というのが確かにあるということが分かったのが収穫でした。なぜなら、そのようなポジションがあることが分かれば、日々の練習でしっくりくる位置かどうか探るようになり、ゴルファーとしてのフィーリングが次第に研ぎ澄まされていくと思うからです。

➋切り返し時のクラブの後ろ倒しは、右手で倒すというよりは、➊で決めたトップの位置から、右手を緩め、クラブが自然に後ろに倒れていく動きを邪魔しないということです。ここで、私を含め、多くのアベレージゴルファーは、ボールと逆方向に向かうこの動きに逆らって手でボール方向にクラブを向けようとしてしまうようです(クラブの前倒し)。しかし、クラブは、円弧を描きながら、最終的にボールに向かうことで、インパクト時の最大スピードが得られる原理からすると、トップからの切り返しでは、ボールや目標方向から離れる方向に倒れていくのが理に適っているということになるようです。

❸ダウンスイングでの右肘の伸ばし方も大切です。右肘を早く伸ばすと、ダフリそうな気がしてしまい、右肘が伸びる前にインパクトを迎えてしまったり、さらに酷い場合には、フィニッシュまで右肘が伸びずじまいだったりします。フォーローで右腕が伸びるきれいなスイングの前提としてダウンスイングでのクラブの後ろ倒し経由(投げ縄状態)からの落下に伴ってしっかり右肘が垂直に伸びていなければならないようです。これはダフリを怖がる本能との戦いでもあるので、反復練習しかなさそうです。

➍ 右手の角度を変えないで押し込みつつインパクトを迎える というのは、➊~❸のステップがある程度できてくれば、自然とそうなるようです。しかし、まだ、➊~❸が固まっていない段階で持てる意識としては、左手を支点にして右手首の裏側で押し込む感じでした。

❺ 上記➊~➍での左手の通り道はどこかを知ることができるドリルを教わりました。これは7番アイアンのグリップとシャフトの中間あたりを右手で握り、左手はグリップエンドに添えるだけにして、ゆっくりと素振りを繰り返すのです。その際、右手に意識を置き、上記➊~➍の動きをしたときに、左手がどのような軌道で動いていくのかを確かめるのです。意外にも、身体の近くを通っていく右手に対して、左手は身体から離れた所を右上から左下に降りていく感じでした。この動きも、1日100回100日続けた方がよいくらい、大事なことのようです。

二重振り子のアプローチ

以上の打席のレッスンで60分が経過し、レッスンの残り時間は30分となりました。新井さんから、このまま打席で続けるか、天然芝のアプローチ練習場に場所を移してアプローチの打ち方をやるか、希望を訊かれました。私はアプローチ練習場でのレッスンを希望しました。

ウェッジで持参したのは、60°のロブウェッジのみでした。このロブウェッジで、まず、20ヤード程先の目標に向かって打つように言われて、何球か打ってみたものの、トップ気味の大オーバーばかり。新井さんからはスタンスを小さく(両足を揃えるくらい)、通常ショット時より極端にハンドファースト気味に構え、直接ボールを打とうとせず、ボールの下の芝ごと打つよう指導され、20ヤード前後の距離にボールを運べるようになりました。

次に、50ヤード先の目標に向かって打つように言われ、ややスタンスとふり幅を広くして、ロブウェッジで必死にボールを打ちましたが、今度はボールが高く上がって目標に届きません。新井さんからは、インパクトでフェースが開いてしまっている。ⓐ右手首を甲側に折りながら(背屈させながら)ボールを打つべきこととⓑ左手と右手でグリップ(シャフト)を目標方向に平行気味に押し出すようなイメージを持つべきことを教わりました。やってみると、確かに、ボールがそれまでよりも低めに出て距離が出て、かつ、グリーンでスピンがかかって止まりやすくなりました。新井さんによると、50ヤードのアプローチでは、ボールの高さが自分の背の高さぐらいに収まるとよく、それを超えるようだと、上がり過ぎと思った方がよいとのことでした。

さらに、良いことに、インパクト前後での右手首の背屈は、実は、通常のショットでもできるようになると、飛距離が伸びると共に、スピンで止まる打球になりやすいとのことでした。二重振り子の隠し味というか、焼く前のお好み焼きの材料に少し混ぜておくマヨネーズのようなお話でした。

最後に

兎にも角にも、90分間、目から鱗の連続で、あっという間に時間が過ぎていきました。YouTube動画を、たくさん見ても、リアルな感覚として、構えや動きを掴むには限界がありました。百聞は一見に如かずです。新井さんの直接指導を受けられて本当に良かったです。1日100回100日のストイックな反復練習が必要なことも知りましたが、その価値は十分にあると思いました。また、実際のレッスンを受けたことで、YouTube動画の見方も変わり、新たな気付き・発見が得られそうです。動画も見直しながら、日々の練習に活かしていこうとも思いました。二重振り子という確固たる指針ができたことで、この冬は、例年にも増して、ゴルフ熱が高まりそうです。

この記事を書いた人

seiji

Seiji

経済学部で学んだ知識を使って会計関係の仕事に従事。仕事の関係で始めたゴルフに15年間取り組むも、思うように上達せず。50歳の誕生日を機に、好きなゴルフを中心にした人生を再構築することを決意し、妻の彩子と二人で生活の見直しを図る。会計の仕事を徐々に減らしつつ、投資家ゴルファーへの転身を目指して、日々奮闘中。ゴルフの目標は、3年以内にシングルプレイヤーとなること。現在のベストスコアは、86。