スイング解体新書の紐解き Part3 アドレス(続編)

前回(Part2)の続編として、アドレスの続きを整理します。

内容は、➊腕の長さ、➋ボールの位置、➌左右の重心の位置、❹前後の重心の位置、➎9ボールルールです。

以下、順に説明します。

➊腕の長さ

アドレス時に身体を正面から見たとき、左右の腕の長さがどのように見えるのかということです。

右手が力んでいると、右肩が前に出て、右腕が長く見えます。

左手が力んでいると、左肩が前に出て、左腕が長く見えます。

理想は、どちらにも力みがなく、肩のラインがスクエアで、両腕が同じ長さに見えることです。

左右いずれかが長く見えると、次のように、スイング軌道とボールの傾向は変わってきます。

左右の腕の長さの見え方スイング軌道ボールの傾向
右手が長い場合右腕が前に出ている。➡アウトサイドインになりやすい。スライス、左への引っ掛け
左手が長い場合肩がクローズになっている。➡インサイドアウトになりやすい。右へのプッシュアウト、フック

左右の腕は真下にダランと垂らすのが基本ですが、その腕の垂らし方は全クラブ共通ではない点に要注意です。

例えば、ショートアイアンなら、ボールと体の距離が近いので、垂直に垂らします。

逆に、ドライバーなら、ボールと体の距離が遠くなるので、拳一個半分ぐらいは前に出ていいのです。

➋ボールの位置

(右打ちを前提とすると)

ドライバーは、左の脇の下(から飛球線に直角に交わるように引いた線上)に置くのが「センター」の位置です。

ショートアイアンやピッチングウェッジは、スタンスの中央 (から飛球線に直角に交わるように引いた線上) に置くが「センター」です。

ボールの位置によって、スイング軌道やボールの高さ・曲がり方の傾向が影響を受けます。

表にまとめます。

ボールの位置スイング軌道ボールの高さボールの曲がり方の傾向
センターより左アッパー気味、アウトサイドイン普通よりも遅れてクラブヘッドに当たる➡高い弾道になりやすいスライス、引っ掛けスライス、引っ掛けフック
センターより右インサイドアウトクラブのロフトが立った状態で当たる➡低い弾道になりやすいプッシュアウト、プッシュスライス、フック

グリップやアドレスをしっかり確認しているのに、ボールが上がり過ぎたり、逆に、上がらなかったり、または、意図せぬ曲がりが直らないようなら、ボールの位置を確認した方がよいということになります。

➌左右の重心の位置

左右の重心の位置は、両足の間のセンターにあることが基本です。

両足の中心の位置に骨盤を置く感じです。

重心のズレも、スイング軌道やミスの傾向に影響します。

右打ちであることを前提に、表にします。

左右の重心の位置スイング軌道ミスの傾向
センターより左寄り(左足重心)アップライト、アウトサイドイントップ、スライス
センターより右寄り(右足重心)シャフトが寝た状態、インサイドアウトフック、ダフリ

❹前後の重心の位置

前後の重心のセンターは、足裏の母指球(親指の付け根のふくらんだ部分)とのことです。

重心の位置が指の方や、逆に、かかとの方にかかってくると、バランスを崩し、ミスショットの原因になります。

前後の重心の位置のズレとスイング軌道、ミスの傾向の関係は、次の表のようになります。

前後の重心の位置スイング軌道ミスの傾向
前寄り前につんのめり、前傾角度が深くなる。➡フラットな軌道ダフリ、シャンク、フックになりやすい
後ろ寄り突っ立ち気味で、前傾角度が浅くなる。➡アップライトな軌道トップ、フェイスの先に当たりやすい、※(ミスではないですが)フェードを打ちやすい

体重移動がスムーズにできない場合、重心がずれていなる可能性があります。

❺9ボールルール

以上で2回に渡ってお届けしたアドレスのチェックポイントの整理は終わりです。

その中で、出球の方向(引っ掛け、プッシュ)や球の曲がり方(フックやスライス)が随所に出てきました。

また、これらはスイング軌道(アウトサイドインやインサイドアウト)やインパクト時のフェースの向き(開いているか閉じているか)に関係します。

そこで、スイング軌道・フェースの向き・出球の方向・球の曲がり方を一挙に整理して表にします。

名称スイング軌道と出球の方向フェースの向きと球の曲がり方
①プルフックⒶアウトサイドイン➡ターゲットよりも左に飛び出す。フェースが閉じて当たる。➡左に曲がっていく
②プル(引っ掛け)Ⓐ同上スクエアで当たる。➡ほとんど曲がらない。
③フェードⒶ同上フェースが開いて当たる。➡右に緩やかに曲がっていく(右に曲がる点では、スライスに似てますが、ターゲットに向かう結果となるため、スライスと異なり、好ましい弾道とされます。)
④ストレートフックⒷオンプレーン➡ターゲットに向けて真っ直ぐ飛び出す。 フェースが閉じて当たる。➡左に曲がっていく
⑤ストレートⒷ同上 スクエアで当たる。➡ほとんど曲がらない。
⑥ストレートスライスⒷ同上 フェースが開いて当たる。 ➡右に曲がっていく。
⑦ドローⒸインサイドアウト➡ターゲットよりも右に飛び出す。 フェースが閉じて当たる。➡左に緩やかに曲がっていく(左に曲がる点では、フックに似てますが、ターゲットに向かう結果となるため、フックと異なり、好ましい弾道とされます。)
⑧プッシュアウトⒸ同上 スクエアで当たる。➡ほとんど曲がらない。
⑨プッシュスライスⒸ同上 フェースが開いて当たる。 ➡右に曲がっていく。

以上をターゲットに対する方向性や曲がりのラインで示すと次のようになります。

単純に、右に行った左に行ったではなく、どのような球筋でその方向に行ったのかチェックする必要がありそうですね!

今回の紐解きは以上です!

この記事を書いた人

seiji

Seiji

経済学部で学んだ知識を使って会計関係の仕事に従事。仕事の関係で始めたゴルフに15年間取り組むも、思うように上達せず。50歳の誕生日を機に、好きなゴルフを中心にした人生を再構築することを決意し、妻の彩子と二人で生活の見直しを図る。会計の仕事を徐々に減らしつつ、投資家ゴルファーへの転身を目指して、日々奮闘中。ゴルフの目標は、3年以内にシングルプレイヤーとなること。現在のベストスコアは、86。