二軸で考える

私が敬愛してやまない稀代の名経営者「稲盛和夫」氏の講話の中に「宇宙に働く二つの力」があります。

経営者の勉強会「盛和塾」の塾長として行った講話(「心を浄化する集団―盛和塾で何を学ぶか」)の一部です。

企業の成長が鈍化し、衰退していく根本原因は、外部要因よりも内部要因(自分自身の心の様相)であり、心の様相との関係で留意すべき3つの大切なことが説かれています。

Ⅰ謙虚にして驕らず(才能を私物化してはならない)

Ⅱ思念は業をつくる(美しくやさしい「善き思い」を心の中に抱く)

Ⅲ宇宙に働く二つの力を得る(成長と調和の力)

の3つが大切なことです。

特に、Ⅲについては、縦軸を「進化発展」と横軸を「調和」としたマトリックスで視覚的に解説されていて、特に印象的でした。

努力さえすればよいのか、利他的でありさえすればよいのかという素朴な疑問に対し、二軸で捉えることによって、明確に回答できるのです。

このような2軸による説明は、私が経済動向に関して日々受け取っている情報の中にも、時々あります。

例えば、マサチューセッツ・アベニュー・モデルに基づいたマトリックスです。

ポール・クルーグマン(ノーベル経済学賞受賞)が著書で提唱した、国家(政府と中央銀行)の経済政策と財政政策の組み合わせ(ポリシーミックス)のモデルの視覚化です。

これによって、例えば、金利差のみで為替を予測するといった単線的思考に陥るのを避けられますね。

他にも、二軸で考えると、分かりやすくなるテーマがいろいろあると思います。

二軸(ないし多軸)で考え、実践できるように心と頭を磨いていきたいと思った次第です。

この記事を書いた人

seiji

Seiji

経済学部で学んだ知識を使って会計関係の仕事に従事。仕事の関係で始めたゴルフに15年間取り組むも、思うように上達せず。50歳の誕生日を機に、好きなゴルフを中心にした人生を再構築することを決意し、妻の彩子と二人で生活の見直しを図る。会計の仕事を徐々に減らしつつ、投資家ゴルファーへの転身を目指して、日々奮闘中。ゴルフの目標は、3年以内にシングルプレイヤーとなること。現在のベストスコアは、86。