英語の関係代名詞(who/which/whom/whose/thatなど)の意味と使い方を基本から解説、日本語との比較、豊富な例文で使い方に自信を!

英語を特訓中の友人から最近受けた質問は、「説明したいことの語順がめちゃくちゃになってしまうけど、

関係代名詞のどれをどう使えばいいの?」というものでした。

関係代名詞は、英語で物事を説明しようとしたら避けては通れない文法事項です。

今日は、それについて友人にした解説をご紹介したいと思います。

関係代名詞とは

関係代名詞は、文の中で先行詞と呼ばれる単語や句と関係を持つ部分を導入する役割を果たします。

ここでは、より簡潔にして、関係代名詞の役割は「先行詞」(名詞)を修飾する節を導く働きとします。

具体例を挙げる前に、まず、日本語と英語の形容詞の語順の違いを確認したいと思います。

例えば、「綺麗な花」を英語で言うとどうでしょうか?

                                        【UnsplashMahmud Ahsanが撮影した写真】

答えは、「A beautiful flower」です。

この場合、日本語も英語も「花」(flower)という名詞を修飾する語句をその前に置いています

ところが、この修飾する語句が文になると、日本語と英語では語順に違いが生じます。

ここで、文と言っているのは、語句の塊の中に主語と述語(動詞を含む語句が存在するものを指します。

英語では、主語+述語のある語句の塊を「節」と呼びます。

例えば、「私は、彼が昨日、私にくれた花がとても気に入っている。」を考えてみましょう。

日本語では、「花」の前に、「彼が昨日、私にくれた」と言う文を「花」の前に置きます。

これは、「綺麗な」と一語の時と同じ位置です。

ところが、英語では修飾語が節(主語+述語)になると順番が変わります

即ち、I like the flower which he gave me yesterday. となります。

英語では、関係代名詞「which」が、the flowerと言う名詞を修飾する節を導きます。

このときに、修飾される名詞を「先行詞」と呼びます。

このように、日本語と英語の節を用いた名詞の修飾の仕方の違いを頭に入れておくと、関係代名詞は理解しやすいと思います。

関係代名詞の機能

関係代名詞の機能は、既に述べたように、名詞を修飾する節(形容詞節)を導くものです。

その関係性から、よく「繋ぎ」の働きをするとも言われます。

                                Image by Peggy und Marco Lachmann-Anke from Pixabay

ただ、この繋ぎは、接続詞のような対等な繋ぎではありません。

繋ぐ二つの文の間には、重要度の違いがあります。

と言うのは、完成した文全体の中で大切なのは、修飾を受ける名詞(先行詞)なのです。

そして、関係代名詞の導く形容詞節は、その名詞を修飾したり、他と区別したりするという働きを持ちます。

関係代名詞の種類

基本的な関係代名詞は「who」、「which」、「that」があります。

「who」は、先行詞が人である場合に使います。

「which」は、先行詞が人以外である場合に使います。

「that」は、先行詞が人でも人以外でも使えます。

「who」と「which」は、関係代名詞の導く節の中で、先行詞がどう用いられていたにより、変化します。

主語の場合は、「who」、「which」です(主格)。

目的語の場合には、「whom」、「which」(目的格)です。

そして、所有格で用いられている場合には、「whose」(所有格)となります。

次に、これらの関係代名詞の具体的な使い方を例文で確認したいと思います。

関係代名詞の使い方

先行詞が「人」の場合

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「who」(先行詞が「人」の主格の関係代名詞)

この写真で、「今、空中に浮いている男性は、私の叔父です。」と言う文を考えてみます。

日本語では、「今、空中に浮いている」と言う文で、「男性」を修飾(説明)しています。

英語では、先行詞が「男性」と言う「人」であることから、関係代名詞「who」の導く節を作ります。

まず、中心となるのは、「(その)男性は、私の叔父です。」と言う文です。

これは、 The man is my uncle.

次に、「(その)男性は、今、空中に浮いています。」と言う文を作ります。

     The man (= He) is floating up in the air now.

この文章を先行詞(The man)を修飾する形容詞節に変えるには・・・・・

二つ目の文章の「the man」は、文の主語となっているので、関係代名詞の「who」に変えます。

     「who is floating up in the air now.」

関係代名詞「who」の導く節を先行詞(The man)の後ろに置きます。

すると、 The man who is floating up in the air now is my uncle. と言う英文が完成します。

英文解釈の場合には、関係代名詞からそれが導く節の終わりまでをカッコに入れて、文全体の意味を取るのがお勧めです。

なお、この「who」の代わりに関係代名詞「that」を用いることができます。

「whom」(先行詞が「人」の目的格の関係代名詞)

先ほどの文章では、先行詞となる名詞(「The man」)は、関係代名詞の導く文の中で主語でした。

では、これが目的語となっている場合を考えてみます。

                               Image by N-Y-C from Pixabay

例えば、「私がそのパーティで出会った女性は、とても美しかった。」という文を考えてみます。

私がそのパーティで出会った」と言う文で「女性」と言う名詞を修飾しています。

修飾される名詞が先行詞となり、修飾している文が関係代名詞の導く形容詞節となる英文を作ります。

次に、この時の思考を示します。

まずは、独立した二つの文で考えます。

The woman was very beautiful.

I met the woman(= her) at the party.

話者が言いたいのは、「その女性がとても美しかった。」と言うことです。

そして、「その女性」と言うのは、パーティで自分が会った人だと(それ以外の人と区別して)、修飾しています。

ですから、2つ目の文は、「the woman」と言う目的語を関係代名詞「who」の目的格「whom」に代えます。

→ I met whom at the party.

その上で、関係代名詞は文頭に出るという性質があるので、二つ目の文の最初に「whom」を移動させます。

whom I met at the party.

この形で、先行詞に繋ぎます。

→ The woman whom I met at the party was very beautiful. となります。

この英文を日本語に訳すときには、whom I met at the party をカッコで括って、修飾語として考えることが必要です。

そうでないと、中心となる文の構造が見えにくくなってしまいます。

なお、「whom」の代わりに関係代名詞「that」を用いることができます。

さらに、目的格の関係代名詞として用いられる「that」の場合には、省略することができます。

「that」が省略されても、文の構造から関係代名詞節であることが推測できるからです。

所有格(先行詞が「人」の所有格のwhose)

「顔に虹色のペイントを塗った女性、誰?」と聞きたいときは、どう言いましょうか?(答えは後ほど。)

次は、所有を表す代名詞が2つ目の文に現れ、それが中心となる文の先行詞である場合を考えてみましょう。

どう言う事かと言いますと・・・・・

The woman is my mother.

その女性は、私の母です。

The woman’s (= Her) face is painted with rainbow colors.

その女性の顔は、虹色にペイントされている。

2つ目の文は、最初の文の「女性」についての説明になります。

ですから、「その女性」について、「(その)顔が虹色にペイントされている」と言う文を挿入すると、

日本語では、「顔が虹色にペイントされている(その)女性は、私の母です。」となります。

英語では、先行詞(「The woman」)は、二つ目の文では、「The Woman’s (=Her)」と所有格です。

したがいまして、「who」の所有格である「whose」に置き換え、先行詞に関係代名詞節として繋げます。

whose face is painted with rainbow colors.

→ The woman whose face is painted with rainbow colors is my mother. と言う文が完成します。

「whose〜colors」の節が、先行詞「The woman」を修飾しています。

なお、「whose」の代わりに関係代名詞「that」を用いることはできませんので、注意してください。

なお、上の写真の答えは、Who is this woman whose face is painted with rainbow colors?

となります。

先行詞が「人以外」の場合

先行詞が人以外の場合にも、同様に、主格、目的格、所有格の関係代名詞を用いて、修飾する節を導きます。

それぞれ、「which」主格、「which」目的格、「whose」所有格となります。

なお、主格と目的格の関係代名詞に代えて、「that」を用いることができます。

また、目的格の場合には「that」の省略ができることは、先行詞が人の場合と同様です。

では、具体例で考えてみましょう。

「which」(先行詞が「人以外」の主格の関係代名詞)

                                            Image by David Mark from Pixabay

「彼らは、丘の上に建つ家に住んでいます。」

太字部分で、先行詞となる家「a house」を修飾しています。

すると、英語では、二つの文を考え、修飾している文を関係代名詞の導く節に変え、先行詞に繋げます。

They live in a house.

The house stands on a hill.

which stands on a hill.

→ They live in a house which stands on a hill.

または、  They live in a house that stands on a hill.  となります。

なお、このときの「that」は主格の関係代名詞であり、省略すると文が成立しなくなるので、省略はできません。

「which」(先行詞が「人以外」の目的格の関係代名詞)

次に先行詞が人以外の場合の関係代名詞(目的格)の例を挙げます。

「私は、先日図書館で借りてきた本を読んでいます。」

と言う文を英訳してみましょう。

I am reading a book.

I borrowed the book from the library the other day. と二つの文が成り立ちます。

(それぞれ独立した文と考えれば、「a book」とすべきとも思われますが、ここでは、同じ本を指していると考えます。)

これらを、二つ目の文を先行詞「the book」を修飾する関係代名詞の導く節に変えてみましょう。

「先日図書館で借りてきた」と言う文が「本」を修飾する関係になります。

このとき、二つ目の文の「a book」が修飾を受ける先行詞と同じものを指しています。

ですから、「the book」を「which」(目的格)に変えて、文頭に出します

→ I borrowed which from the library the other day.

→ which I borrowed from the library the other day.

そして、先行詞に関係代名詞の導く形容詞節を繋ぎます。

→ I am reading a book which I borrowed from the library the other day. となります。

ここでは、関係代名詞「that」を用いることもできます。

→ I am reading a book that I borrowed from the library the other day.

なお、目的格の関係代名詞(which, that)は、省略することができます。

関係代名詞が省略されても、文の構造から関係代名詞の導く節であることが分かるからです。

「whose」(先行詞が「人以外」の所有格の関係代名詞)

次に、先行詞が人以外の所有格の関係代名詞を用いる例を挙げます。

The car ( ) four tires are stolen in the parking lot is mine!

さあ、括弧の中には何が入るでしょうか?

太字が中心となる文です。 The car is mine.

( ) four tires are stolen in the parking lot. これが二つ目の文です。

「駐車場にあるその車の4つのタイヤが盗まれた。」と言う文を考えてみましょう。

The car’s (= Its) four tires are stolen in the parking lot. となります。

先行詞である「The car」と同じものは、「The car’s (= Its)です。

そうすると、それを人以外の場合の関係代名詞の所有格である「which」に代えて、文を繋げます。

The car whose four tires are stolen in the parking lot is mine!

完成した文の日本語訳は、「(駐車場に置いてある)タイヤを4つ盗まれた車は私のものです。」となります。

「whose」は、「that」で置き換えることはできませんので、注意しましょう。

なお、この例文は、実際に私の友人のご主人の車に起こった出来事でした。

自宅近くの平置きの広い駐車場に、買ったばかりのメルセデスベンツを月極で停めていたそうです。

ある朝、車に乗ろうと行ってみたら、なんと、周囲に沢山車があるのに、ベンツだけが

4つともタイヤの盗難に遭ったそうです。

やはり、高級車は狙われるのでしょうか?

その時の驚きの叫びは、まさに「Oh, my God!」だったことでしょう。

「Oh, my goodness!」と言えれば、心に少し余裕があったかもしれません。

                                 Image by Robin Higgins from Pixabay

この二つの発言は、ともに「なんたることだ!」という意味です。

ただ、キリスト教圏においては、むやみに神様の名を口にするのはタブーとされています。

ですから、「God!」というよりも、「Goodness!」(本来の意味は徳、善性、長所など)が、

好んで使われます。

「Goodness, gracious.」(graciousの意味は、慈悲深い、丁重ななどです。)も映画などでは耳にします。

もっとも、ホラー映画などで、想像を絶する場面では、「Goodness.」「ではインパクトが弱く、

「Oh, my God!」が定番ですね。

関係代名詞「that」がよく使われる例

次のような場合には、関係代名詞「that」が使われます。

先行詞が<特定の一つのもの>であることを示す修飾語を伴う場合

その具体的例としては、the first(最初の), the last(最後の)the second(第2の), the latest(最新の),

the very(まさにその), the same(同じ), the only(唯一の), <the+最上級>(最も〜な)などがあります。

This is the only dress that I have for the party.

(これが私がパーティに着ていける唯一のドレスです。)

先行詞「the dress」にonly がついて、「the only dress」となって、「唯一の」と特定されているので、

関係代名詞は、「which」ではなく「that」を使います。

先行詞に「all」「every」「any」「no」など「すべて」「全く〜ない」などの意味を持つ修飾語がつく場合

これらの場合にも、関係代名詞は「that」を使います。

My parents spent all the money that they had for my schooling.

(私の両親は、私の学費のために、彼らのもてるお金のすべてを費やした。)

先行詞が人と人以外の場合

Did you see the gentleman and his dog that were crossing the street?

(道を渡っていた紳士と犬を見ましたか?)

先行詞が人と動物、または、人と物であるときは、関係代名詞はthatを使います。

制限用法(限定用法)と非制限用法について(応用編)

これまで説明してきたのは、関係代名詞の制限用法という使い方です。

制限用法とは、関係代名詞節が先行詞に説明を加えること(修飾)で他と区別するために使うと言う意味です。

限定用法とも呼ばれます。

これに対して、関係代名詞が導く節が、先行詞を説明(修飾)するのではなく、先行詞について、さらに話を進めて、補足する場合があります。

こう言う使い方を非制限用法と言います。

形の上では、非制限用法では、先行詞の後で、カンマ「,」を使って、一旦文を切り、関係代名詞節を続けます。

具体例を挙げます。

My sister has twins who were born on January 1.

(私の姉には、1月1日生まれの双子がいます。)

この文では、先行詞は「twins」で、「who」以下は、それを修飾する(限定する)形容詞節です。

このとき、姉には、他にも双子がいるかもしれません。

例えば、クリスマスに生まれた別な双子とかです。

では、非制限用法では意味はどう変わるでしょうか?

My sister has twins, who are very cute and active.

(私の姉には双子がいますが、その双子はとても可愛いくて活発なのです。)

形としては、「,」が入るだけで、制限用法とほとんど変わりません。

しかし、意味の上では大きく異なります。

非制限用法においては、関係代名詞は、先行詞(場合によっては文全体やその一部)を受けて、それについて補足します。

このような機能から、非制限用法は「継続用法」とも呼ばれます。

最後に

いかがだったでしょうか?

関係代名詞は、英文ではよく使います。

関係代名詞を理解するには、その機能(働き)と使い方の基本をマスターすることが必須です。

それができたら、より応用的な使い方にも慣れていくと、より自然な英語が使えるようになると思います。

これは私の体験ですが、最初英会話を実際に使うようになったときは、あまり複雑なことは言えませんでした。

ですから、一つの話題について、幾つも文を並べて説明をしていました。

それでも意思は伝わるので、問題はありません。

ただ、ちょっとつまらない感じになってしまいます。

徐々に慣れてくると、もう少し詳しく説明したり、補足して話を進められるようになりました。

そのときに活躍してくれたのが、関係代名詞です。

また、英文を読む上では、関係代名詞は頻出です。

特に、関係代名詞節を括弧で括ることで、文の構造が掴めるようになります。

そういう点からも、関係代名詞の使い方を使い方を押えておく事は大きな飛躍にも繋がります。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました!

この記事を書いた人

saiko

Saiko

アメリカ留学を経て、予備校や学習塾での英語教育に携わること約10年。在職中に英検1級を取得。TOIEC985点。法律関係に転職し、夫婦で同業、共働きしながら現在に至る。留学や受験時代の体験から人の潜在意識や潜在能力に関心を抱く。夫の星二の50歳の誕生日を機に、星二の夢である「ゴルフでシングルに」に一緒にチャレンジするべくゴルフを習い始める。3年で100切りを目指して、趣味の英語と旅行も織り交ぜながら、星二と一緒にゴルフの上達を目指す。楽しく上達がモットー。現在のベストスコアは、117。