SOX指数
ここ2か月(2023年5月~6月)、半導体関連株の上昇が凄まじい。
今週は、大きく調整するかと思ったが、火曜日から水曜日にかけて、また反転上昇。
どうして、こんなに強いのか、それを探るべく、SOX指数をチェックしてみることにした。
SOX指数とは、フィラデルフィア半導体指数のことであり、
米国に上場している主要な半導体関連銘柄30個で構成される株価指数である。
月足でチャートで見ると、コロナショックの安値から上昇トレンド入りし、
2022年初旬のFRBのテーパリング終了・利上げ開始で天井を付け、下降トレンドに転換し、
昨年(2023年)秋の逆CPIショック(上がり続けていた物価指標が反転下落)辺りから、
利下上げ停止・将来の利下げ期待が高まったのか、大底を付けて、再び上昇トレンド入りしたことが判る。

そして、その上昇のスイングの中でも、一際目立つのが、先月(5月)の急騰である。
まず、(チャットGPT用の半導体を供給している)エヌヴィディアの株価が急騰し、
続いて、他の半導体メーカー、素材や製造装置のメーカーなど半導体セクター全体に波及した。
もちろん、米国企業だけでなく、日本企業の株も広く物色され、多くの銘柄で大幅上昇が見られた。
問題は、この流れがいつまで続くのかということであるが、(まだN波動形成途中にある)
SOX指数のチャートが強い間は、半導体関連株は押し目買いスタンスが基本となると思われる。
今後、暇を見つけて、個別銘柄のチャートもチェックしていきたいと思う。
NVIDIA CORP(NVDA)
まずは、エヌヴィディア。
世界トップクラスのGPU(画像処理半導体)メーカー。
GeForceブランドのゲーム関連とデータセンター向けが柱。
AI、自動運転、ロボティクス、ヘルスケア、量子コンピューター、メタバース向けなど領域を拡大させている。
2023年1月期のPER(株価収益率)は、116.88倍であり、PBR(株価純資産倍率)は22.72倍である。
ちなみに、PER=株価÷EPS(1株当たり純利益)なので、株価をPERで割ると、EPSを算出できる。
2023年1月末の同社の株価は206.28なので(同月の高値)、EPSは約1.76であったということになる。
なお、PBR=株価÷BPS(1株当たり純資産額)であり、資産価値に対して株価が割高か割安かの判断の目安になる。
同社の株価チャート(日足)を見ると、第一四半期の決算発表日に急上昇し、続いて、米国の主要株価指数(❶NYダウ30、➋NASDAQ100、➌S&P500)が再上昇したことが判る。

次に、株価チャート(週足)を見ると、決算発表日の急上昇の終値(➍)は、
実はコロナショック時の安値(❶)と昨年秋の大底(➌)を結んだ上昇トレンドラインに対する
上昇チャネルライン(買い方の利確目標の目安)ドンピシャだった。
そして、その後、その上昇チャネルラインをサポートとして、さらに上昇したことが判る。

今日は、ここまでとするが、今後、他の半導体関連企業の株価チャートも点検していきたい。
Applied Materials Inc(AMAT)
世界最大の半導体装置製造メーカーであるアプライド・マテリアルズはどうか。
成膜装置、イオン注入装置、エッチング装置などを扱っている。
東アジア(中国・韓国・日本・台湾)が8割を占める。
2023年10月期のPERは16.67倍、PBRは6.21倍。


㈱アドバンテスト【6857】
日本勢も見ておこう。
まず、半導体検査装置で世界的にも大手の㈱アドバンテスト。
チャットGPTなど生成AIの勃興が追い風になりそう。
高性能コンピュータ向け関連案件が多い。
実績PERは39.2~21.8、PBRは8.82倍。


ソシオネクスト暴落の影響は!?

先週末、大株主が持ち株を売却するというニュースが出て、急落したソシオネクスト。
日足の雲上限、75日SMAでキャッチされ、終値では、(10月12日から6月21日にかけての上昇の)50%の押し目を上回って引けた。
同社株の下落につられて半導体関連が全面安というような報道もあり、心配になった。
確かめてみたら、東京エレクトロンとアドバンテストは、思ったほど大きな下げではなかった。
日経225への影響が大きい2銘柄、明日(7月10日)の寄り付きで続落するかどうかに注目したい。





