特徴
ピボット(リアクション・トレンド・システム)は、ワイルダーが1978年に発表した指標である。
ピボットには、旋回軸という意味があり、ワイルダーは、当日終値を中心とした同心円を描いて、翌日の価格目途を説明した。
特徴❶:前日(または直前の足)の高値・安値・終値から当日の目安となる価格が算出される。
特徴➋:デイトレードなど短期売買向けのシステムで、逆張りを主体としている(リアクションモード)。
特徴➌:逆張りを主体としながら、順張りに切り替えることもできる(トレンドモード)。
ピボット算出される価格目途は、次の7つである。
①HBOP(高値ブレイクアウトポイント)、②R2(上値抵抗2)、③R1(上値抵抗1)、④P(ピボットポイント)、 ⑤S1(下値支持1)、⑥S2(下値支持2)、⑦LBOP(安値ブレイクアウトポイント)
計算方法
前日(直前の足)の高値をH、安値をL、終値をCとすると、④P=(H+L+C)÷3
①HBOP=P+(P-L)+(H-L)=2P-2L+H=H+2(P-L)
②R2=P+(H-L)=H+(P-L)
③R1=P+(P-L)=2P-L
⑤S1=P-(H-P)=2P-H
⑥S2=P-(H-L)=L-(H-P)
⑦LBOP=P-(H-P)-(H-L)=2P-2H+L=L-2(H-P)
使用方法
ピボットでは、算出された7つの価格目途を利用して、当日の売買を行う。
まず、この短期的で逆張り主体の取引から(これをリアクションモードという。)。
具体的には、価格がS1やS2に到達したら買い、R1やR2に到達したら売る。
これに対し、逆張りから順張りに変更する取引はどうか(これをトレンドモードという。)。
価格がS1やS2に到達して新規買いをした後、LBOPを下回ったら、損切りして、新たに売り玉を持つ。
同様に、価格がR1やR2に到達して新規売りをした後、HBOPを上回ったら、新たに買い玉を持つ。
なお、トレンドモードについて、ワイルダーは、買い玉(売り玉)の決済は過去2営業日の安値(高値)を下回った(上回った)場合に設定し、価格推移に応じて反転水準をずらすべきとしている。
いわゆるトレーリング・ストップである。