朝型生活に切り替えて生産性アップ、人生転換を目指そう!「朝8時までの習慣で人生は9割変わる」書評

目標達成に向けて努力しようと決意したものの、1日の時間は24時間と決まっているから、それを実行するための時間も捻出しなくてはならない。そうすると生活全般を見直す必要が出てきた。それにはまず生活を朝型に変えることが肝心ではないかと直感的に感じ、それを助けてくれそうな書籍を探した。

朝の時間の使い方で人生は変えられる!

この本の著者は、4歳の時に父を亡くし、母から父の父も早逝したことを告げられ、自分の人生も長くはないのではないかと思い、人生の時間は限られたものであることを幼い時に実感させられ、短い時間であっても人生を二人分、三人分生きたいと思って生きてきたそうです。

また、母子家庭で育ったことから、外食の際にも母にかける負担を少なくしようと安いものをメニューから選んで注文するなどして気を遣ってきたことから、お金のないことが人生の選択肢を狭めることを早くに知り、お金の問題で人生の選択肢を狭めたくないとこれも早い時期に感じたそうです。

人生において誰ものが直面する「時間」と「お金」の問題、この二つの問題を解決する答えがこの書籍には書かれています。

本書籍から学んだこと

著者は本業はサラリーマンですが、同時に11の会社を経営しています。そして、平日はサラリーマンとして勤務しながら、早朝の時間と週末を使って、会社を経営しているのです。驚異的ですよね!

著者は毎朝4時頃に起床し、副業である会社経営の仕事を自宅で行い、朝7時半頃に出社し、仕事の段取りを朝8時までに済ませるという。最も大事な仕事を全て朝8時までに完了させているのです。

早起きテクニック

「もし明日自分が死んでしまうとしたら」と考えながら1日のスケジュールを組み立てることを勧めています。そして、自分のやりたいことができない言い訳を考えるのではなく、今できることに集中して、自分のやりたいこと朝の時間帯にやるようにしていくことが人生のストレスを軽減し、人生を劇的に変える方法だと言います。

著者は、成功の秘訣は少しだけズラすことだと言います。例えば、海外に住んでいる日本人は全人口の1%程度です。そうすると海外に住むだけでその1%に入れるわけですが、海外移住は誰でもそう簡単にできることではありません。しかし、朝の時間をズラすこと=早起きすることは簡単にできる他人との差別化です。ほんの少しの差ですが、これを日々の習慣として実践することで、人生を確実に変える道が開けるということです。

朝は、身体が疲労回復しているだけでなく、脳が睡眠中に前日の記憶を整理して、一番リフレッシュしている時間帯で、効率的な勉強やビジネスのアイディアを出すのに最適な時間帯だそうです。

では早起きを実践するためには何が必要でしょうか?コツは3つあるそうです。

  • 日の出の早い春や夏に早起きの習慣を身につけること
  • 1日が25時間とされる体内時計のリセットのために朝食を摂ることと、深夜の食事は避けること食事の時間を一定にすること、そして、就寝時間を変えても起床時間は変えないこと

体内時計のリセットについては、朝太陽の光を浴びることでリセットされると言われてきましたが、最近の研究では、太陽の光という明暗のリズムよりも、食事のリズムの方が体内時計に与える影響は大きいと言われているそうです。就寝時間が遅くなり睡眠負債が溜まってしまった場合などは週末に昼寝をするなどして補うことで睡眠不足を解消して、起床時間を一定にする必要があるそうです。

  • 心からワクワクするような具体的で期限付きの明確な目標を持つこと

目標はドリームキラーに潰されないためには口外しない方が良いという人もいますが、著者は口にすることで必要な情報が集まってくるので、どんどん人に話すべきと言います。また、長期目標と短期目標と共に大切ですが、長期目標を細分化して短期の課題とするような逆算した行動を割り出す手法は、日々刻々と変わる状況の中ではあまり意味がないとしています。著者は逆算手法に代えて、目標を他人に口外することで新たな行動の指針を見出そうとするようです。この点は、私は人により自分に合う方法を選択するべきではないかと思いました。

朝時間の使い方

キーワードは「集中」で、集中力を高めるためのルーティンを持つべきと著者は言います。著者の場合はラジオ体操と温かいコーヒーから1日を始め、まずは単純作業である「ジョブ」から着手するそうです。これは、単純作業から始めることで脳に負荷をかけずに始められ、集中力を高められるからだそうです。著者の場合には前日の経理の伝票入力から始めます。

ルーティーンになっている作業を行い、集中しやすい状態ができたところで、頭を使う「ワーク」に入るそうです。著者は、その日にやることを前日に決めるということはせずに、状況の変化を踏まえて、朝起きてその時にやりたいと思うことを優先的にやるそうです。

朝の時間帯で注意すべき点は、絶対に時間の延長はしない事、(副業に朝時間を当てているので)本業の仕事を持ち込まないことだそうです。時間の制約が効率を最大限に高めることができるのが人間だからだそうです。

短時間で年収を10倍にする方法

著者は社会的経済的に信用のあるサラリーマンこそ、不動産投資や太陽光設備の投資をすることを勧めています。区分マンションよりは1棟買いのアパートやマンションにより空室の場合の収入リスクを減らし、安定的な賃料収入を得ることで丸投げで収入がアップするとしています。ただし、丸投げできる相手を探すには綿密なリサーチや勉強が不可欠で、早朝の時間帯を使って信用できる取引相手を探す必要があるとしています。

仕事のスピード&成果を10倍アップさせる方法

すぐやる人、できる人の特徴は、自分がやりたいかどうかの感情で行動を決めるのではなく、とりあえずやれることから、やれる範囲で着手するという行動から入ることだと著者は言っています。これは、勉強のできる子の特徴にも見られるそうで、勉強をしたいからするのではなく、気分が乗っても乗らなくても、とりあえず勉強を始めて、それから段々とモチベーションが湧いてくるのだそうです。仕事も先延ばしせずに、とりあえず、直ぐにやってみることをお勧めしています。

ジョハリの窓(対人関係において、「自己の性格がどのように認識されているか」の4分類)の「盲点領域」(相手は気づいているが、自分では気づいていない自己)=自分の意外な強みを知るようにすることが大切だと、著者は指摘します。転職もこの自分の気づいていない強みを知るには良い機会だとしますが、転職ができない場合でも自己PRや職務経歴書を書くことで自分の強みを知り、自分を見つめ直す機会を作るべきだと言います。天職を見つければ、仕事は趣味になる!とも。

日常生活には新しい企画に必要な情報が溢れており、書店は情報の宝庫だと著者は言います。そして、何気ないことが新しいビジネスや企画の起点になることやそれに気づく感性を養うことが大切であるとも。また、小さなこともメモしておくことで忘れてしまわないかというストレスから解放され、思考の整理にもつながるししています。また、メモを取ることが感受性を磨くことにもつながるそうです。

新しいアイディアを熟成させるには、夜の時間に寝床で考える習慣を著者は勧めています。結論を出さずに、疑問だけ投げかけておくと、寝ている間に脳が思考を整理してくれて、朝にパッと発想が思い浮かぶことがあるそうです。

著者は朝の時間や日中にも散歩の習慣を持つことも勧めています。人間の脳の電気信号を調べてみると、ひらめきの時とぼーっとして何もしていない時とで酷似しているそうです。どちらの場合も、電気信号は脳の表面の大脳皮質にまで達し、そこに保管された記憶の断片を自由に繋ぎ合わせているのだそうです。散歩をするときには脳がこのような活動をしているのかもしれません。古代から哲学者たちは散歩をすることを習慣にしていたことからもアイでぃと散歩は相性が良いようです。

「居は気を移す」机や部屋が汚い人は、思考がバラバラで心の状態も乱れている。机や部屋を整理整頓していくと思考が整理され、不思議と心の状態も安定してくるとして、著者は整理整頓を最後に静かに勧めてくれます。

「失敗のすすめ」何事も、まずは自分で経験してみることが大切で、新しいチャレンジには失敗はつきもの、失敗を恐れて何もしなければ、失敗もしない代わりに成功はあり得ないと著者は断言します。そして、この失敗には致命傷は回避すべきとも。いかに大怪我をしないように転ぶか、そして転んだ時に何を学ぶかが肝心である。

また、失敗は過程に過ぎず、前半戦で負けても後半戦で逆転すれば負けにはならないと著者は言います。

自己啓発の要点は、「いかに今の自分を壊すか」に尽きると著者は言います。そして、著者は、「早起きの習慣」を実践し、その時間をコツコツと積み重ねてきただけで、特別なことをしているわけではないとも言います。どんなダメな馬であっても、10日間走り続ければ名馬の1日分に追いつくことができるとも。凡人でも10日間続ければ、天才の1日分に追いつくことができると。

注意すべき点

この書籍に書かれていることの一つ一つは難しくはないと思います。しかし、これを継続するには強い動機付が必要です。自分の人生をどうやっても変えていきたいという強い思いと覚悟も必要でしょう。あまり力むのも良くないとは思いますが、これを実践した先には全く現在とは異なる世界が見えてくるような気がしました。

これを実践する上で注意すべき点は、この著者は4歳という人生の早い時期に父を亡くし、母が一人で育ててくれたという特別な環境で人生をスタートさせている点です。普通の両親が揃っている家庭で育った普通の人からすれば、数十年かかって得るような境地に人生のとても早い段階で立たされてしまったという特殊な事情があることです。

ですから、著者にとっての当たり前の努力というのが全ての人にとって当たり前ではなく、ハードルの高いことである場合もあるということは、実践する際にまず認識する必要があると思いました。

読後感

非常に読みやすく、分かりやすい文章で思わず2度続けて読んでしまいました。著者の淡々とした口調の奥に幼少期の強い心に刻まれた人生に対する諦観というか達観が感じられて、とても清らかな気持ちになりました。

これまでも、何度も朝型生活にしたいと思い、たくさんの書籍を手にしてトライしてきましたが、いずれも途中で挫折しています。この書籍は、朝型生活を成功させるための小さいけれども重要なコツを教えてくれています。

今回、何かが違うと思うのは、自分が涯に立っているという認識があるからでしょうか。是非、この書籍に書かれていることをできるだけ実践してみようと強く思いました。

朝型生活の仕方をと考えていらっしゃる方にはお勧めの一冊です。

この記事を書いた人

saiko

Saiko

アメリカ留学を経て、予備校や学習塾での英語教育に携わること約10年。在職中に英検1級を取得。TOIEC985点。法律関係に転職し、夫婦で同業、共働きしながら現在に至る。留学や受験時代の体験から人の潜在意識や潜在能力に関心を抱く。夫の星二の50歳の誕生日を機に、星二の夢である「ゴルフでシングルに」に一緒にチャレンジするべくゴルフを習い始める。3年で100切りを目指して、趣味の英語と旅行も織り交ぜながら、星二と一緒にゴルフの上達を目指す。楽しく上達がモットー。現在のベストスコアは、117。