「時制」ー英語の動詞の時制、注意すべき「過去」「現在」「未来」の基本的なポイントを解説。

先日友人から、英語で「現在形」と「現在進行形」を使う状況がよく区別できないと言われました。

たしかに日本語では、あまり動詞の形でいつの話なのかを区別することは少ないように思えますね。

なぜならば、日本語の「時」は前後の言葉の使い方で自然と理解できるからです。

でも、英語はいつの時点での話なのかを、動詞の形で明確にしないと誤解を生んでしまいます。

そこで気を付けたいのが、動詞の時制の理解とその使い方です。

基本的かつ重要な項目なので、友人に話した内容をここに再現したいと思います。

同じような疑問をお持ちの方の参考になれば、幸いです。

英語の時制

英語の時を表すには、動詞を「現在形」「過去形」「未来形」にすると教わりますよね?

もっとも、「未来形」という動詞の形はなくて、未来を表す助動詞「will」+「動詞の原形」ですが。

では、現在形が表すのは現在のことだけでしょうか?

現在進行形と現在形の違いは、動作が進行中かどうかだけでしょうか?

未来進行形は、どんな時に使うのでしょうか?

この投稿では、こんな疑問を解消したいと思います!

現在形と現在進行形

「現在」というのは、今のこの瞬間だけでなく、それを含む過去から未来に繋がる一定の期間を表す場合があります。

具体例を挙げて、考えてみましょう。

「動作」を表す動詞

 「私は、今、英語を勉強中です。」

 これは、英語では、I αm studying English now. ですね。

この英文が表現するのは、現在の私の行なっている「動作」(やや不自然ですが、「していること」という意味)です。

この場合は、現在進行形を使います。

では、I study English every day. とすると、意味はどう変わるでしょうか?

この場合、動詞は現在形です。

 「私は英語を毎日勉強します。」という意味です。

これは、今勉強しているのではなく、過去のある時点から始まって、現在もまいにち、そして、未来のある時期まで、

一定の期間、「私は英語を勉強する」のです。

これらの例でお分かりのように、「動作」を表す動詞の場合には、現在形は広く、

現在を含む、過去から未来においてその行為をするという意味になります。

つまり、その動作を繰り返しているのです(反復継続)。

そして、今というこの瞬間にそれをしている時に、現在進行形を使います。

「状態」を表す動詞

動詞によっては、一定期間その動詞の表す「状態」が継続することが前提となっているものがあります。

「心理状態」

例えば、

 I love him. (彼を愛しています。)

I know her. (彼女を知っています。)

I remember the day. (その日のことを覚えています。)

これらの「心理状態」を表す動詞は、現在形で使い、過去から現在、そして、未来を含んで、

その状態が継続することを表します。

知覚」や「五感の感覚

同じグループとして、「知覚」や「五感の感覚」を表す動詞(see,hear,feel,smell,taste)があります。

 具体例を挙げます。

 I hear people playing music and singing outside.

(人々が外で、音楽を奏で、歌っているのが聞こえる。)

 The soup smells delicious.

(スープは美味しそうな匂いがする。)

 どちらも、今のこの瞬間の出来事ですが、それが継続しています。

これらの動詞は、現在形で進行形の状態も含んでしまうとも言えますね。

その他の状態(一般)

上に挙げた「心理状態」や「知覚」動詞以外でも、「状態」を表す動詞には次のようなものがあります。

・be(〜である)

・have(持っている)

・belong to~(所属している)

・exist(存在している)

などなどです。

「状態」を表す動詞は、その状態が一旦成立するとそれが解消されるまで継続するものと考えれば、

分かりやすいかもしれません。

真理、不変な事実、職業など

一般的に真理とされること、不変なことも動詞の現在形を使って表現されます。

典型的な具体例を挙げます。

The earth goes around the sun.

(地球は太陽の周りを廻っている。):真理

I am from Japan.

(私は、日本出身です。):不変な事実

Where do you come from?

(どこの出身ですか?):be from と同じ

What do you do for a living?:職業

(お仕事は何をされていますか?)

過去形と過去進行形

過去の状態や動作を表す過去形

The park was full of young people who were against the government.

(公園は、政府に反対する若者であふれかえっていた。)

この文では、過去形で、過去のある時期に存在した状態を表しています。

英語の過去形は、「現在とは無関係の過去の事柄」あるいは、「現在とは異なる過去の事象」を表します。

英語の現在形が、過去・現在・未来の一定期間継続する状態を表すことと違いますので、注意してください。

これは、「動作」表す動詞の場合も同様です。

We visited the United States in 2014.

(私たちは、2014年にアメリカ合衆国を訪問した。)

この場合、訪問は、一度だけです。

では、過去に繰り返された動作や行動はどのように表せば良いでしょうか?

I usually rode my bicycle to school.

(私は、普段は自転車通学だった。)

動詞「ride」の過去形「rode」は、「乗った」という意味ですが、「usually」などの頻度を表す副詞と共に用いる

ことで、「過去に繰り返し行われた動作」を表すことができます。

つまり、自転車で学校に行ったのは、一度きりではなく、ほとんど毎日、たいていは自転車で行ったという意味になります。

過去のある時点でしていた行為:過去進行形

過去進行形(was,were+動詞ing)が、表すのは、過去のある時点で最中の行為です。

過去進行形においては、この「過去の時点」がいつなのかを明示する必要があります。

「君が電話をくれた時、僕は象達と遊んでいたんだよ。」

I was playing with the elephants when you gave me a call.

手前は、小象でしょうか?

愛くるしい表情ですね。

電話が鳴った時に、まさに象達と楽しく水遊びをしていたところ(最中)という状況です。

では、「一晩中,

咳が止まなかった(していた)」は、どうでしょうか?

これも、咳き込む状態(この場合は、咳をするという行為・動作でも同様です)が、

「一晩中」という一定の期間、咳繰り返し、継続していると考えます。

The little boy was coughing all night long.

未来形と未来を表すその他の表現

英語の未来は、まだ確定していないことであり、必ず起こるとも限らないから、

表現の仕方はその確度話者の意思により異なります。

単純未来と意志未来のwill

単純未来とは、自然の成り行きでそうなるであろうと考えられる未来の出来事を表します。

この場合は、「will+動詞の原形」を使います。

例えば、「明日は、台風の影響で各地に雨が降るでしょう。」という文を考えてみましょう。

It will rain tomorrow throughout the country due to the typhoon.

また、「〜します。」という確定的な意志を表す場合も同様です。

I will bring my book for you next weel.

「来週、私の本を持ってきてあげますよ。」

この場合、私の本を持参するのに特段の障害もないことが前提となって、

単純に、「そうするつもり」という意志を表します。

意図・計画・兆候などのbe going to

「will」に代わって、「will」と同様に未来のことを表すのが、「be going to」です。

「be going to」の方が、話者の意思や準備などに繋がる意図・計画がある場合に、よく使われます。

より主観的にその未来を実現させようとする意思が表明されているというニュアンスを受けます。

また、口語では、「be going to」は、よく「be gonna」と省略した形で使われるのを耳にします。

例えば、I’m gonna tell her that I love her. という感じです。

「彼女に愛してるっていうつもりなんだ。」

日本語にするとこんなニュアンスでしょうか。

日本の中学や高校で、この表現は受け入れられないとは思いますが、英語圏での通常の表現です。

未来進行形

未来のある時点でその時に、最中として行われているであろうこと、または、そうしている予定になっていることを

表すのが、未来進行形(will be+動詞ing形)です。

具体例を挙げましょう。

アメリカに向けて旅立つ前夜、荷物をスーツケースに詰めながら、飛行機がサンフランシスコに入る様子が

頭に思い浮かびます。

その時に浮かぶイメージが上の写真であり、言葉は、

「明日の今頃は、サンフランシスコに到着するところだろうな。」

I will be arriving in San Francisco at about this time tomorrow.

未来のある時に、一定の行為の最中であろうことを予測する文となります。

そして、「空港に到着後は、マイケルが迎えてくれることになっている。」という予定未来進行形で表します。

Micheal will be meeting me at the airport tomorrow.

この表現を相手に使う場合には、予定や計画を尋ねる意味として使うことになります。

例えば、「明日、空港に出かける予定ですか?」という例で考えてみましょう。

Will you go to the airport tomorrow? でも間違えではありませんが、依頼文と区別しにくいという問題があります。

その場合には、未来進行形を使うことで、より正確に「相手の意図・計画」を聞いているということが示されます。

Will you be going to the airport tomorrow?

時や条件を表す副詞節

これまで見てきたように、未来のことは「will」や「be going to」などで表すのが原則です。

しかし、試験でよく聞かれる大きな例外が一つありますので、確認しておきましょう。

それは、未来の出来事を内容とする「」や「条件」を表す副詞節です。

副詞節というのは、主節の文全体の前提となる時や条件を示す従節のことを指します。

日本語で考えてみましょう。

「もし明日、彼が参加しないのなら、私は会議に出たくない。」

この場合には、「もし明日、彼が参加しないのなら」が、条件を表す副詞節となります。

英語では、次のようになります。

I don’t want to attend the meeting if he doesn’t join us tomorrow.

(if以下を最初に出しても同意)

「明日」のことなのであるから、本来ならば、「will」を使うべきとも思えるのですが・・・。

しかし、これは現在の時点で成立しうる未来の内容を問題としているので、未来の予測ではありません。

むしろ、「仮にそうだとすれば」という意味で、現在の時点のことのように思考するので、現在形で表します。

時・条件を表す副詞節を作る接続詞の例を挙げておきますので、参考にしてください。

  • when
  • before
  • after
  • until
  • by the time
  • as soon as
  • if
  • unless などなどです。

最後に

今回は、動詞の時制について基本的な使い方を解説しました。

現在形が現在の一点ではなく、時間的に広い概念であるということは、あまり理解されていないことです。

その理解があると、説明したい状況に応じた適切な表現ができるようになると思います。

また、英語も言語ですから、慣用的な使い方や例外、発展形もあります。

それでも、まずは基本をしっかり押さえて、発展形に出会ったら、そこから推論することが必要です。

そうやって、少しずつ英語の知識を拡げていければ、英語学習はますます楽しくなります。

私の場合もそうでした。

初めてアメリカに渡った時は、前の晩に夜中の3時過ぎまでスーツケースに半年分の衣類を詰めていました。

眠気で朦朧とする頭に浮かんできたのは、やはり、初めて足を踏み入れるアメリカの様子でした。

上に掲載しているような、飛行機がアメリカの都市に着陸していくイメージでした。

そして、なぜか、アメリカのシンボル、自由の女神像が私を呼んでいるような気がしました。

人生にワクワクする気持ちは、凄く大切ですね!

その時だけでなく、ずっと後になって思い出しても、そのワクワク感は心を弾ませてくれます。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

この記事を書いた人

saiko

Saiko

アメリカ留学を経て、予備校や学習塾での英語教育に携わること約10年。在職中に英検1級を取得。TOIEC985点。法律関係に転職し、夫婦で同業、共働きしながら現在に至る。留学や受験時代の体験から人の潜在意識や潜在能力に関心を抱く。夫の星二の50歳の誕生日を機に、星二の夢である「ゴルフでシングルに」に一緒にチャレンジするべくゴルフを習い始める。3年で100切りを目指して、趣味の英語と旅行も織り交ぜながら、星二と一緒にゴルフの上達を目指す。楽しく上達がモットー。現在のベストスコアは、117。