日本の株価指数には、①日経平均株価と②東証株価指数(TOPIX)などがあります。
①を②で割ったものをNT倍率と言います(③)。
米国の株価指数には、❶ダウ平均、➋S&P、❸ラッセルなどがあります。
以下、①②③➊➋❸の順に説明します。
①日経平均株価
日経平均株価は、1949年5月16日の単純平均株価176円21銭から始まりました。
225銘柄を対象にした平均株価指数なので、株価が高い銘柄(値がさ株)の影響を受けやすいと言えます。
構成銘柄の入れ替えには二つの方式があります。
一つは、定期入れ替えで、原則として毎年秋に実施されます。
もう一つは、臨時入れ替えで、合併や上場廃止などが生じた場合、すみやかに代替銘柄が補充されます。
②東証株価指数(TOPIX)
TOPIXは、東証一部全銘柄を対象に、1968年4月1日の時価総額を100とした場合の株価水準を加重平均して東証が算出・公表してきた指数です。
2022年4月1日に東証の市場区分が再編され、一部・二部などの区分がなくなり、プライム・スタンダード・グロースの3区分となりました。
それに伴い、既存のTOPIX構成銘柄は、選択市場に関わらず、継続採用されたものの、流通株式時価総額100億円未満の銘柄は段階的にウェイトを低減し、2025年1月最終営業日に除外されることになりました。
移行完了後の構成銘柄の選定方法については、構成比率の上限(10%)が設けられた他、コンサルテーションを実施して決定するとされています。
③NT倍率
対象銘柄や計算方法に違いはあるものの、①日経平均と②TOPIXの値動きには高い相関性が見られます。
そのため、①を②で割った値(NT倍率)が投資判断の指標の一つとして使われています。
この倍率に明確な基準はないものの、2008年~2018年では、10~13倍で推移しています。
➊ダウ平均
ダウ工業株30種平均は、米国株式の代表的な指数です。
S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズが算出・公表しています。
工業株は広範な考えで定義されていて、鉄道株と公共事業以外の会社であれば、すべて対象となります。
1896年5月26日に40.94ドルの初値を付けてから、単純に株価を株数で割った値を使用して、除数を変化させながら、連続性を維持しています。
当初、鉄道株を含む11銘柄での算出でしたが、1897年に12種工業株平均と20種鉄道株平均に分けられました。
さらに、工業株平均は、1928年以降、30種になりました。
かつては、全構成銘柄がニューヨーク証券取引所(NYSE)上場企業でしたが、1999年以降は、ナスダック上場企業からも選ばれるようになりました。
現在、ダウ平均株価には、ⓐダウ工業株30種平均、ⓑダウ輸送株20種平均、ⓒダウ公共株15種平均と、ⓐ~ⓒを併せたⓓダウ総合65種平均があります。
➋S&P
S&P500も、米国株式の代表的指数です。
1957年3月4日に、スタンダード&プアーズ(S&P)が算出を開始しました。
1941年~1943年の平均指数を10として、浮動株調整後の時価総額比率を加重平均して指数化されています。
対象は、NYSEとナスダック取引所に上場する500銘柄です。
❸ラッセル指数
ラッセル指数は、時価総額加重方式の米国株価指数の一つです。
ラッセル・インベストメントが算出しています。
毎年、5月28日の時価総額をもとに、6月に銘柄の入れ替えが行われています。
代表的なラッセル指数は次の3種です。
1)ラッセル1000:時価総額上位1000銘柄で構成され、米国市場の時価総額の9割超を占めます。
2)ラッセル2000:約2000銘柄で構成されます。米国市場の時価総額の1割を占めるに過ぎませんが、中小型株の指標として利用されます。
3)ラッセル3000:米国市場の約95%をカバーしています。