小原大二郎のスイング解体新書のパート2の動画を視聴して学んだことをまとめます。
テーマは、ボールを打つ前の構え、つまり、アドレスです。
ポイントは、➊前傾角度、➋手元の位置、➌手元の高さ、❹3つのライン(肩・太もも・スタンス)、の4点です。これらに加え、❺私が実際に小原大二郎氏が主宰するゴルフパフォーマンスの神田校で清水コーチから直接教わったアドレスの方法をご紹介します。
今回も、左右の記載は、右打ちのゴルファーを前提としています。
左打の方は、お手数ですが、左右を逆に置き換えて、お読み下さい。
➊前傾角度
背中の姿勢を良くしたまま、股関節から身体を前に傾けます。
骨盤から上半身を倒していく感じです。
このとき、背中のラインとクラブシャフトが作る角度が問題となります。
この角度が ⓐスイングプレーンとクラブ軌道の関係、 ⓑダウンスイングの方向、 ⓒ球筋・ミスの傾向に影響を与えるからです。
そこで、前傾角度とⓐⓑⓒの関係を表に示しました。
背中のラインとクラブシャフトの角度 | 鈍角 | 90度に近い | 鋭角 |
状態 | 「棒立ち」 | 腰のベルトのラインとクラブシャフトが一直線に近い | 「前かがみ」 |
ⓐスイングプレーンとクラブ軌道の関係 | アップライト | オンプレーンスイング | フラット |
ⓑダウンスイングの方向 | アウトサイドイン(外から内に入ってくる軌道)になりやすい。 | 軌道の癖が少ない。 | インサイドアウト(内から外に押し出す軌道)になりやすい。 |
ⓒ球筋・ミスの傾向 | スライス(右に曲がっていく球)やトップ(球の頭を打ってしまい、球が上がらず、ゴロになる。)が出やすい。 | ストレートボールが出やすく、トップやダフリが少ない。 | フック(左に曲がっていく球)やダフリ(球の手前の地面を打ってしまい、ボールがあまり飛ばない。)が出やすい。 |
私としては、90度に近い前傾角度で、ⓑⓒの2点で癖の少なく、ミスの出にくい、再現性の高いスイングを目指したいと思います。
ただし、ⓐのオンプレーンスイングを額面通り受け取ることはできません。
完全にプレーン上をなぞろうとすると、ダウンスイングでクラブヘッドが前倒しとなり、結果として、アウトサイドイン軌道になりやすくなるからです。
ここは、新井淳さんの二重振り子スイングの考え方を入れて、テークバックの円弧はやや急角度(スティープ)に、ダウンスイングの円弧はやや平坦(フラット)に、8の字を描くようにしたいところです(投げ縄状態)。
主題からそれるので、二重振り子スイングについては、後日、別のテーマ設定で投稿したいと思います。
➋手元の位置
手元の位置は、左太ももの内側を基準にして、それより左寄り(目標方向)か、真ん中付近(左鼠径部付近)か、右寄り(目標の反対方向)かによって、ハンドファースト、ノーマル、ハンドレートの3タイプに分かれます。
それぞれの特徴を表にまとめてみました。
ハンドファースト | ノーマル | ハンドレート | |
左太ももの内側との位置関係 | 左寄り(目標方向) | 真ん中付近(左鼠径部付近) | 右寄り(目標の反対方向) |
ロフトの状態 | ロフトが立った状態になりやすい。 | ニュートラル | ロフトが寝た状態になりやすい。 |
出玉の高低 | 低い弾道になりやすい。 | ニュートラル | 高い弾道になりやすい。 |
飛距離 | 飛距離は出やすい。 | ニュートラル | 飛距離が出にくい。 |
左右の曲がり | フックしやすい(左曲がり)。 | ニュートラル | スライスしやすい(右曲がり)。 |
手元の位置も、ノーマルがいいですね。
➌手元の高さ
手元の高さは、通常より高くなると、ハンドアップ、低くなると、ハンドダウンの構えとなります。
ハンドアップ、ノーマル、ハンドダウンは、前傾角度やグリップによって左右されます。
これら3つの区別の目安は、クラブのトゥ(クラブヘッドのつま先側)とヒール(クラブヘッドのかかと側)の高低がどうなっているかで見分けます。
また、これら3つの構えには、クラブシャフトが地面と作る角度、スイング軌道、 球筋・ミスの傾向 などに特徴があります。
以下に、表にまとめます。
ハンドアップ | ノーマル | ハンドダウン | |
クラブヘッドのトゥとヒールの高低 | ヒールが浮き過ぎている。 | トゥが少しだけ浮いている。 | トゥが浮き過ぎている。 |
クラブシャフトが地面と作る角度 | スティープ(縦の角度が急) | 適度な傾き | フラット(角度が緩やか) |
スイング軌道 | 縦振り | 中庸 | 横振り |
球筋・ミスの傾向 | フック気味・ダフリが出やすい。 | ニュートラル | スライス気味・トップが出やすい。 |
手元の高さも、ノーマルで行きます!
❹3つのライン(肩・太もも・スタンス)
アドレスの中でも、ボールの方向性にとって、決定的に重要なのが、「肩のライン」「太もものライン」「スランスライン」です。
この3つのラインが飛球線と平行になれば、ターゲット方向に球が飛ぶ確率が高まりますが、ターゲットに対して左を向いたり(オープン)、右を向いたり(クローズ)すると、スイングの軌道に影響し、出球の方向性と左右の曲がりにも影響していまいます。
表にまとめると、以下のとおりです。
オープン | ノーマル | クローズ | |
飛球線に対する向き | 左向き | 平行 | 右向き |
スイング軌道 | アウトサイドイン | インサイドイン | インサイドアウト |
出球の方向性と曲がりの傾向 | やや左方向に飛び出した後、スライスしやすい(右に曲がりやすい)。 | ニュートラル | やや右方向に飛び出した後、フックしやすい(左に曲がりやすい)。 |
「肩のライン」「太もものライン」「スタンスライン」は、いずれも飛球線と平行(ノーマル)にしたいです。
この中で、特に気を付けるべきは、最も打球の方向性への影響度が高いのに、自分では見にくい「肩のライン」であるそうです。
鏡で見たり、棒を肩に当てたりして、自分のアドレスの方向性のズレを客観的に確かめるようにすると、いいそうです。
❺ゴルフパフォーマンス神田店で清水コーチから直接教わったアドレスの方法
小原プロが経営しているゴルフパフォーマンスの神田店で、私がレッスンを受け始めた昨年4月頃、清水コーチからアドレスの8原則を教わりました。8原則は以下のとおりです。
- 1)ボールの位置(左右):両足の真ん中からの垂直線上(8番アイアンまで)、番手が上がったら、上がった分だけ、やや左めにずらす。
- 2)両足の幅:両足の外側が肩幅(アイアン)、両足の内側が肩幅(ウッド)
- 3)両足の重心:両足裏の母指球
- 4)グリップの位置(左右):グリップエンドが左足付け根を向くように➡「アドレス時はハンド・レイトでよい。テークバックで右手甲が先行、ダウンスイングで左手甲が先行、結果、インパクトで理想的なハンドファーストになる。手首はかなり柔らかく使う。」(この部分は「スイング解体新書」にはなく、清水プロ独自の部分と思われます。)
- 5)グリップの位置(前後):グリップエンドと体の間に拳1~1.5個分➡ややウィーク気味のグリップを勧めるのも、清水コーチの特徴と言えるかもしれません。
- 6)姿勢:できるだけ、尻を高く、膝裏を伸ばし、背筋は反る。➡ウィル・ザラトリスのように!(ちょうど、松山英樹が優勝したマスターズの直後で、プロになったばかりの米国の新星が上位に食い込む活躍を見せました。彼はとても姿勢が良く、アマチュアにもいいお手本になると、清水プロが話していました。)
- 7)アドレスの向き:肩・腿・足のラインがターゲットラインに平行➡スパットを見つけ、フェースの向きを合わせてからアドレス!
- 8)腕の垂らし方:両腕は地面と垂直に
改めて見直してみると、概ね「スイング解体新書」に従っていますが、所々に清水コーチのオリジナルが入っているらしいことが分かりました。明日からの練習時のアドレスに役立てたいと思います。