前置詞は、名詞の前に置いて、その名詞との関係性を導く重要な語句です。
その使い方が分かると、相手の話す内容のイメージが持ちやすくなります。
また、私の経験からは、前置詞が正確だと、相手に伝えたい内容もより正確になって、話が弾むようにもなります。
今日は、先日、友人から質問された「前置詞の基本的な意味と使い方」について、解説していきます!
よく使う前置詞とその典型的なイメージ
at
この前置詞は「ある時点」や「時刻」を示すのに使われます。
例えば、場所を示す語句の前に置いて、「ある場所」という一点のところでという意味を表します。
「トムが劇場に到着した。」というには、劇場という<ある場所><一点の場所>にatを使います。
Tom arrived at the theater.
特に、正面玄関という風にさらに明示・限定したい場合もatを使って表現します。
Tom arrived at the front entrance of the theater.
例えば、時を示す語句の前に置いて、「~時に」を表します。
Let’s meet at ten o’clock again tomorrow.(明日、また10時に会いましょう。)
10時という<時の一点>を表すのがatの役割です。
The bar closes at midnight.(そのバーは夜中の12時に閉まる。)
midnight は、夜中の12時です。
12時という時の一点で、バーが閉まるという意味になります。
「at」は、意味の上では、<一点>から広がりを見せて、目標(狙いを定める)、所属(大学や団体)、従事(仕事)などにも使われます。
「彼女は、弓と矢を標的に向けて狙いをつけた。」は、どう言えばいいでしょうか?
She aimed her bow and arrow at the target.
「~大学の学生」というのは、団体や学校への帰属を示し、団体の前に「at」を使います。
Sally is a student at Harvard.
「~に従事している」「作業中」のときは、「at work」を使います。
これは既に熟語としても使われています。
上の例文を英語にしてみましょう。
Harry is at work in his room.
in
次に「in」について見ていきましょう。
「in」は、基本的な意味は<内部を表す>前置詞です。
場所の場合は、その場所の内部や内側を表します。
また、時の場合には、ある期間の内にという意味になります。
We happened to see Ted in the theater.
「in」は「月」、「四季」、「年」、「世紀」などの「一定期間」を導いて、その期間内の話をするときにも使われます。
上の文は、We have a lot of rain in June. となります。
「彼は1990年に生まれた。」というには、
He was born in 1990. 1990年という年の前に「in」を置けばよいことになります。
on
「on」の基本的な意味は、<接触>です。
これは、物理的な接触と時間的な接触の両方の意味をもちます。
これを英語で言うとどうなるでしょうか?
まず、日本語の意味をかみ砕いて、「壁の上には、4つの世界時間を表す時計がある(掛けられているは敢えて訳さない)」とします。
すると、There are four world clocks which show different times on the wall.
「時計が壁に掛けられている」という接触を表すのにぴったりなのが前置詞onです。
このように、場所的接触を表すのが、「on」の基本的な意味です。
同じように、onは時間についてもぴったり、その日、その時という幅のない「特定の日」を示すのに使われます。
例えば、I will see you on Friday. で、私は「金曜日に」あなたに会いますという意味になります。
また、She arrived here on June 13th. とすれば、彼女は「6月13日に」ここに着いた、という意味になります。
これらのように、曜日や日付の前には、時間的接触を示す「on」が使われます。
時を表すat/in/onの区別
これまで説明してきたat/in/onは、いずれも時を表す語句を導く前置詞です。
それぞれの大まかな区別としては、次のことを覚えておくとよいかもしれません。
「at」は、狭い時の一点、すなわち、時刻を表す。
「on」は、atよりはやや広い範囲をカバーするものの、接触のイメージから、日付や曜日というところまでの時を表す。
そして、「in」は、もっとも広く、月や年までもカバーする広い範囲の時を表す前置詞であるということです。
まとめ
「at」「in」「on」、それぞれ固有のイメージを持つことはできたでしょうか?
一点、広がり、接着、日本語にするとそんなイメージを頭に浮かべれられれば、もう大丈夫です。
時間を表すときだけは、「on」よりも「at」の方が更に狭い範囲(時間)を表すということだけ、しっかり覚えておきましょう!
では、七夕の織姫と彦星が「来年の今日、7月7日、同じ時刻に、この同じ場所で会いましょう。」と別れる時の挨拶はどう訳しますか?
I will see you at the same time in the same place on July 7 next year!
時間(at)、場所(in)、日付(on)の順で、こんな英文が思いつけば、大正解です!
シンプルですが、約束をする場合などによく使いますので、覚えておきたい前置詞です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!