チャート分析問題の問われ方
チャート分析問題は、1枚のチャートと共に「別紙の●●●と価格その他の推移を見て、現在の相場状況と今後の見通しについて説明してください。」という形式で出題されます。
●●●には、毎回異なるテクニカル指標一つが入ります。例えば、「ボリュームレシオ」「ボリンジャーバンド」「RSI」などです。
解答の中では、●●●で示されたテクニカル指標についての簡単な説明を入れた方がいいようです。
毎回、問題文の下に「答案作成のヒント」が付いており、概ね、次のように書かれています。
1)ローソク足に支持線や抵抗線を描き加え、それらとローソク足のパターン(フォーメーション)、ローソク足と移動平均線の関係、テクニカル指標の推移などから、現在の相場状況を説明します。
2)今後見込まれる指標推移と相場推移、その際に注目すべき指標水準と相場水準について説明します。
3)可能性のあるダマシとその判定基準、ダマシであった場合の対策について説明します。
4)出題の手法で目標価格や達成時期の見通しが可能な場合には、値や時期をを示し、その根拠についても述べてください。
上記1)~4)からすると、要求されていることは、概ね以下のようなものであると想像できます。
①チャート図に支持線や抵抗線を描き加える。➡②現在の相場状況の説明➡③指標推移と相場推移の予想➡(出題の手法で可能な場合)④目標価格や達成時期の見通し(値、時期、根拠)➡⑤ダマシへの言及(判定基準と対策)
以下、①②③④⑤について順に述べていきます。
①チャート図に描き加える支持線や抵抗線とは
チャート図にグリッド線が配されているので、ホリゾンタルライン(水平線)を描くと、ごちゃついて見づらくなってしまいますし、第1回練習問題の模範解答にも描かれていませんでした。
むしろ、要求されているのは、切り上がった(切り下がった)安値(高値)を結んだ上昇(下降)トレンドラインとその平行線(チャネルライン)のようです。
チャート図で、上昇トレンドラインを引いたら、それぞれ「S1、S2、・・・」と略称表記します。
上昇トレンドラインの平行線には「上昇チャネルライン」と表記します。
逆に、下降トレンドラインを引いたら、それぞれ「R1、R2、・・・」と略称表記します。
下降トレンドラインの平行線には「下降チャネルライン」と表記します。
水平線は「H1、H2、・・・」と略称表記することが考えられます。
②現在の相場状況の説明
現在の相場状況を説明するための道具が4つ示されいます。
ⓐチャート図に引いたトレンドラインやチャネルライン
ⓑローソク足のパターン(フォーメーション):単線、2本の線、3本以上の線、短期パターン、中長期パターン
ⓒローソク足と移動平均線の関係:ゴールデンクロスやデッドクロスなど
ⓓテクニカル指標の推移:バンド、オシレーター、出来高など
③指標推移と相場推移の予想
②を踏まえて、価格と指標の今後の推移を予想する必要があります。
④目標価格や達成時期の見通し(値、時期、根拠)
目標価格や達成時期の見通しには、まず、ⓐ一目均衡表の水準論(N計算値、E計算値など)と時間論(基本数値と対等数値)を利用できます。
目標価格の見通しには、他に、ⓑチャネルライン、ⓒパターン分析(ネックラインから等倍など)、ⓓバンド到達などが利用可能です。
⑤ダマシへの言及(判定基準と対策)
③の予想が外れて逆行した際の見切りの判定基準と対策(損切り、途転など)を示す必要があります。